SNSのDM(ダイレクトメッセージ)を使った自動化施策のご相談をいただき、要件定義をご一緒したことがあります。「どんな条件で、どんなメッセージを、どのタイミングで送るか」——言葉にすると単純なのですが、実際に紙に書き出そうとすると、手が止まる瞬間が何度もありました。この記事では、そのときClaudeと一緒に要件を詰めていったプロセスを、実務のメモとして残しておきます。
「なんとなく」を言葉にする難しさ
最初にいただいたご要望は、方向性としてはとても明快なものでした。ただ、いざ仕様として書き起こそうとすると、「こういう場合はどうするか」という分岐が次から次へと出てくるのです。返信が来なかったらどうするか、同じ相手に何度も送っていいのか、時間帯はどう扱うか——現場の感覚では「常識的にこうだよね」で済んでいたことが、仕様として書くとなると、ひとつひとつ言葉にしないといけません。頭の中では分かっているつもりでも、それを他人が読んで動かせる形にするには、もう一段階の言語化が必要なのだと、あらためて感じました。ここを一人で抱え込むと、抜け漏れに気づかないまま進んでしまうところでした。
Claudeを壁打ち相手にする
そこでGoogleドキュメントに要件のたたき台を書きながらClaudeに読んでもらい、「この条件だと、こういうケースは想定されていますか」と聞き返してもらう、というやり方に切り替えました。一度に全部を詰めようとせず、条件をひとつ書いては聞き返してもらう、というのを何度も繰り返す進め方です。
面白かったのは、Claudeが指摘してくる抜け漏れの多くが、こちらが「まあ大丈夫だろう」と流していた部分だったことです。たとえば送信の条件を書いたつもりでも、「送信に失敗した場合の扱いは?」「複数の条件が同時に当てはまったときはどちらを優先しますか?」というふうに、人間同士の打ち合わせでは流れてしまいがちな確認が、淡々と返ってくるのです。
うん、これは正直ありがたい相棒だなと思いました。感情に流されないぶん、こちらの説明が足りない部分に忖度なく気づいてくれるのです。
要件を「表」に変えていく
対話を重ねるうちに、文章で書いていた要件が、条件と結果の対応表のような形に自然と整理されていきました。「Aという状態のとき→Bを送る」「Bを送った後、Cの反応があれば→Dへ進む」というふうにフローとして書き出せるようになると、クライアントへの説明もぐっとしやすくなります。実際にその表をもとに打ち合わせを進めたところ、「ここはこうしたい」という追加の要望も、既存の分岐のどこに足すべきかがすぐに分かるようになりました。言葉で説明し合うよりも、表を指差しながら「ここです」と確認できるほうが、お互いに認識のズレが起きにくいのだと実感しています。
今回の学び
振り返ってみると、要件定義でつまずくのは「大きな方向性が分からないから」ではなく、「細部の分岐を全部言葉にしきれていないから」なのだと感じました。Claudeとの対話は、アイデアを出してもらうためというより、こちらの言葉の抜けを一つずつ拾ってもらうために使うと、いちばん効果を発揮するのだと思います。
映像制作でもAI活用支援でも、結局のところ「何を、どんな条件で、どう扱うか」を最初にきちんと言葉にできるかどうかが、あとの工程の速さを大きく左右します。今後もクライアントとの要件整理には、たたき台を先に書き、それをClaudeに壁打ちしてもらってから打ち合わせに持ち込む、という進め方を続けていこうと思っています。
SNS施策やAI活用の進め方について気になることがあれば、ぜひお問い合わせからご相談ください。
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